22 三宅 雅人:奈良先端科学技術大学院大学

「ボーダーレスURA連携を拓く
 ~グローバルリサーチディベロップメントの加速に向けて
 URAに何が期待されているのか、何ができるのか~」
9月2日 10:50~12:20 小会場A(研修室607)

 なぜ、日本の専門職人材(URA)は、国際共同研究連携の促進においてその活躍の場を広げられないのか? 欧米型研究マネジメント人材を研究し、スキル標準の作成と研修・教育プログラムの整備が完了した今、次に培われるべきは現場で生きる「実践力」であろう。

 国際共同研究連携に求められるのは、参加する各人にとってウィン・ウィンな関係の構築である。研究内容の充実はもちろんのこと、研究資金の獲得や最適なチーム形成のための人脈開拓など、研究活動を取り巻く環境の整備において『やらなければならないこと』と『出来ること』のバランスを調整し、有益な人間関係・組織関係を構築することが課題である。しかし、国際連携の構築に普遍的パターンはない。其々の事案の客観的分析と課題の論理的整理を基盤とし、情報収集や交渉等を通じて研究者を支え、国際研究を前進させねばならない。URAに何ができるのか?専門職人材の研究連携構築への関与が研究活動にもたらすインパクトは何か?この厳しい現実に立ち向かうURAを支えるのは、海外の専門職人材をも含めたURA同士の連携ではないだろうか。

 本セッションでは、知識・経験共有の日常化やパイロットスタディーの実践、RA協議会とRUネットワークの存在意義など、ボーダーレスURA連携が拓く可能性を提案する。また、ヨーロッパと日本を代表する研究力強化推進機関の方々を交え、「厳しい第三者の目」で、率直なご意見・ご指摘を頂戴し、また皆さんと議論を深めたいと考えている。





【セッションオーガナイザー・司会者・講演者
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 三宅 雅人(奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 特任准教授)

英国ケンブリッジ大学教員、国内の半導体装置メーカ、外資系半導体装置メーカのテクニカルマーケティングマネージャー、新規技術分野推進室・室長を経て2014 年1 月より現職。現在は、研究推進機構の国際共同研究室関連業務を行っており、奈良先端大初となる海外拠点の設置プロジェクトや海外研究機関とのネットワーク強化をはじめ、研究力強化を目的とした各種国際シンポジウムなどの企画・開催などを行っている。


【講演者】
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 大濱 隆司(科学技術振興機構 経営企画部国際戦略室 室長)

1991年大阪府立大学工学部船舶工学科卒。同年、三井造船株式会社入社。主に商船の基本設計に従事。同社英国子会社へ技術リエゾンとして駐在。2000年科学技術振興事業団(現科学技術振興機構)入団。プレベンチャー事業担当、STSフォーラム・プログラムオフィサー(出向)、SATREPS(サトレップス:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の立ち上げ、ワシントン事務所長などを経て、2014年10月より現職。



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 藤根 和穂(自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任准教授)

2004年、東京大学理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。海洋堆積物中の生物起源有機分子を使い、過去の気候変動メカニズムを解明する研究が専門。国際深海掘削計画に参加し、米国事務局でAssociate Research Specialistとして勤務。NSF予算によるシステム開発のプロジェクトリード等を経験。国際ビジネスコミュニケーションの集中トレーニングを受け修了証を取得。2013年、筑波大学でURAとなり、分野を問わず、国内と国際、両方のリサーチデベロップメントを手がける。2015年1月より現職。



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 Matthieu PY(EURAXESS  Japan Office  Director)

2008年仏ENSPG(現PHELMA)と京大で材料工学修士。2011年仏原子力庁・電子情報技術研究所で博士取得。京大でポスドク後、在日仏大使館科学技術部、2014年から現職。仏アヴィニョン出身。