28 高橋 真木子:金沢工業大学

 【年次大会事務局セッション】

「日本におけるURA機能を考える
  ~H26年度URA配置状況調査をもとに~」
9月2日 13:20~14:50 大会場(8階ホール)

 URA機能の普及・定着・展開のために、組織マネジメントは今後ますます重要な要素となるが、実際にはそれは容易なことではない。その主たる理由は一般に、1)URAの業務は、戦略企画、プレ、ポストアワード、その他専門業務と非常に広範であり、2)論文などの活動成果を直接的に把握する指標が確立されていないため全体活動把握が困難であるため、とされる。

 URA機能は本来、各機能が有機的に結びつき全体として研究力向上に資するものである。これを踏まえれば、適切な組織マネジメントを行うためには、まずどういう状態がURA機能の発揮されている状態か、それをモニタリングする指標としてどのようなものがあるか、KGI/KPIをどう設定するか、それらの指標を用いてチームのモチベーションを上げ、組織が学習するためにどうするべきか、という段階を追った議論が必要となる。

 本セッションでは、この問題意識のもと、2015年に行われた「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」(スキル標準や研修・教育プログラムを活用した人材育成)のための調査分析結果を紹介して、現場把握を行う。その上でURA機能の発展のための評価のあり方を考える。具体的には、URA実務者が自らその活動指標を検討できるよう、まず評価専門家から、本来の評価の意義、キーワードの確認といった基本を共有した上で、機能間関係、大学経営との関係をふまえたフレームワークに基づき活動評価指標案を紹介し、それらをもとに議論・検討する。





【セッションオーガナイザー・講演者】
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 高橋 真木子(金沢工業大学 イノベーションマネジメント研究科 教授)

(財)神奈川科学技術アカデミー、東京工業大学産学連携推進本部特任助教授、東北大学特定領域研究推進支援センター特任助教授、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)研究開発部プログラムオフィサー(非常勤)、(独)理化学研究所 研究戦略企画員、経営企画部戦略分析課主幹を経て、現在に至る。

主な省庁委員として、文部科学省中央教育審議会専門委員、リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備推進委員会、経済産業省産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会等。




【講演者】
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 田原 敬一郎(未来工学研究所 主任研究員)

財団法人政策科学研究所研究員等を経て、2012年より現職。東京大学大学院総合文化研究科客員准教授(「科学技術の公共政策学」担当)、JST科学コミュニケーションセンターアソシエイトフェロー、総合科学技術・イノベーション会議評価専門調査会「大綱的指針の改定WG」委員等を歴任。科学技術政策分野を主な対象として、評価システムの在り方や対話による問題解決の方法について実践的な研究を行う。



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 吉岡(小林) 徹(一橋大学イノベーション研究センター 特任講師/東京大学公共政策大学院 特任講師)

(株)三菱総合研究所で主に知的財産政策及び科学技術政策に関する調査を担当。2009年8月から2012年12月まで東京大学政策ビジョン研究センター特任研究員兼任。2015年10月より一橋大学イノベーション研究センター特任講師、同11月より東京大学公共政策大学院特任講師(非常勤、兼務)。知的財産マネジメント及び知的財産政策、産学連携施策に関する実証研究、比較制度研究を行う。